リゾートバイト感動物語
リゾートバイトは様々な場所、様々職種、勤務形態も朝早くから早番、中番、遅番など様々。
初めての場所、初めての仕事、初めての人たちと人間関係を築き、しかも、住み込み。
失敗、トラブルもあれば、感動もある。それがリゾートバイト。
今回は、リゾバ先輩たちの【感動エピソード】を口コミしてもらいます。
リゾートバイト感動物語大賞決定!
今回は応募いただいた中から厳正な審査の結果…
ルーティーさんの
.「『私の中にはあなたはずっと存在します。』沖縄のリゾートバイトで経験した消すことができない思い」
が大賞に選ばれました!
ルーティーさんから、大賞受賞の喜びの声が届いていますので、ご紹介させていただきます!
ルーティさん(東京都・女性・26歳)
この度、私の体験談を大賞に選んでいただいて本当にありがとうございます。
私の経験が皆様の心にも残れたと思うと本当に嬉しく思います。
本当にありがとうございました!
リゾートバイトは短期のアルバイトが多く、その時出会う人とは短期間でしか接しないかもしれませんが、それが忘れられない出会いになるかもしれません。
そんな出会いが出来るのがリゾートバイトの醍醐味とも言えるかなぁと思います。
ぜひ、体験してみてください。
「私の中にはあなたはずっと存在します。」沖縄のリゾートバイトで経験した消すことができない思い出
ルーティ(東京都・女性)
年齢:26歳
現在の職業:シェフ
勤務先:沖縄県南城市ゲストハウス
職種:ゲストハウスアシスタント
媒体:ごーやドットネット
私は大学生の時に、夏休みの一ヶ月をつかって沖縄県にある小さな町のゲストハウスに住み込みでバイトに行きました。そこで起きた出来事は5年たった今でも鮮明に私の心の中で色を消すことなく大切な出来事として覚えています。
働くことになったゲストハウスはお世辞にも綺麗とは言えず、まるでプレハブ小屋に板を貼り付けたようなそんなゲストハウスでした。最初来た時は見た目だけで帰りたいと思ってしまいました。
しかし、採用されたからには一ヶ月は我慢して働こうとそんな嫌な気持ちから始まった私のリゾートバイトですが、働いてみるといつもの日常を忘れさせてくれるそんな毎日が続きました。
オーナー夫婦も同じゲストハウスに住んでいて、奥さんとは年も近かったこともあり仲良くなって、働いている合間に色々な場所へと連れてっていただけました。
観光地やそうじゃない沖縄の人しか行かないような場所など、奥さんは色んな所に連れ出してくれました。そして、あるお話を聞かせてくれたのです。
ここには、たくさんのアルバイトヘルパーさんが来てその方たちと私はたくさんの思い出を作ってきました。そして、君ともたくさんの思い出を作って私の心の中にいつまでも残しておきたい。
たとえ、私がそのことを忘れてしまっても私と過ごしてくれた人達が覚えていてくれれば私が私でずっといられるような気がするの。
最初聞いたとき深い言葉だなぁと、特に考えもせず聞いていました。
その言葉の意味をちゃんと理解できたのは、リゾートバイトが終わる前日のことでした。
私は、明日で沖縄ともお別れなんだなぁと悲しくなっていたときに、オーナー夫婦が私のためにお別れパーティーを開いてくれました。私はその計らいがとても嬉しくまだお別れでもないのにたくさん泣いたのを覚えています。
そして夜も深くなりお開きにしようとなった時、オーナーから少しお話がありますと声をかけられました。お話の内容はとても残酷な内容でした。
もしまた沖縄に来る機会があったらもちろんウチにも寄って欲しい。だけど、あいつが君のことを覚えている事はほとんどないと思う。それだけは覚えておいて欲しい。
私は最初言っている意味がわかりませんでした。だからなのか、なぜですかと聞くこともできませんでした。そんな私を見て、オーナーはぽつりとぽつりと話し始めました。
全生活史健忘・・・
突然、ぽっかりと空いたように記憶を失うこと。
オーナーはそう言っていました。
あんなに楽しく一緒に生活していたのに、そのすべてをいつか忘れてしまうかもしれない病気。
楽しかった思い出を、思い出として残しておけないんだと泣きながらオーナーは説明してくれました。
あの日、奥さんが私に言ってくれたことはこういうことだったんだと、私はまた号泣してしまった。
だけど、最後のお別れの時は泣きませんでした。奥さんには笑顔でまたねと言いました。
もしかしたら忘れられてしまうかもしれないけど、今だけは笑顔の私を覚えてほしいという気持ちをこめて。
あれから5年がたち、社会人になってしまった私はなかなか沖縄に行く機会がありませんでしたが、今年は会いに行ってみようかなぁと考えています。
今でもお客様の一言で自分自信を激励出来ています【私のリゾートバイト感動エピソード】
あくね(埼玉県・女性)
年齢:30歳
現在の職業:ダンサー
勤務先:草津温泉リゾートホテル(群馬県)
職種:ホテル接客スタッフ
媒体:ジョブセンス
温泉がメインのリゾートホテルでの仕事でしたので、若い人ばかりでなく、そこそこお年のいったお客様も多かったので、特にそういう方には丁寧な接客をと指導されていました。
病後の療養とか、ちょっと体を壊したので休みを取ってきたと言うお客様も、決して少なくなかったのですが、その一組のお客様のことが今でも記憶に残っています。
ご夫婦らしい、70代に見えるお二人のお客様でお年の割にと言ったら失礼ですが、姿勢のいいしっかりした歩き方で、楽しそうに終始おしゃべりなさっていた方々でした。
お部屋への案内とか館内のご説明をしていた時も、区切りにきちんと「ありがとう」と言っていただけてとても嬉しかったのは事実です。
お泊り2日目に、お部屋の掃除に伺った時に、奥さまは温泉に行かれていたようでご不在でしたが、ご主人はご在室でした。
引き下がろうとしたのですが、構わないので簡単に掃除してくれればいい、そう言っていただけたのでありがたくお受けしました。
その時に、「奥さまがご不在でご退屈では?」とちょっと踏み込んだことを伺ってしまったのですが、気を悪くなされた風も無く、「夫婦に見えますか、それは嬉しいですね」とお答えになったのです。
意味が解らなくてちょっと戸惑っていたら…
「実は結婚してまだ1週間で、これが新婚旅行なんです。」
と笑って仰るのです。
高校時代に同級生で、何となく友達以上の付き合いをしていたのが、その後は道が分かれたものの、ネットのSNSで再会して二人とも伴侶を亡くしたところだったので、慰めあったりしているうちにやけぼっくいに火が付いた。
そう笑いながら話してくださいました。
そこに奥さまも戻っていらして、やはりニコニコしながら頷いていらっしゃったのです。
私のようなバイト(かどうかは勿論お解りではないでしょうが)にも丁寧に、優しく接してくださるご夫婦。
今がとても幸せだと仰ったお二人、私にはわからないような人生の経験をなさったのでしょうが、それでも今が幸せだと笑っていらっしゃるお二人をみていたら、私まで幸せになった気持ちでした。
ダンサーなどと言う、浮き草稼業なので時々未来を暗く感じることもあるのですが、そんな時はこのご夫婦のことを思い出して、自分を激励しています。
リゾートバイトで体験したピアノの力
そらやま(京都府・男性)
年齢:36歳
現在の職業:会社員
勤務先:静岡県河津町ペンション
職種:ペンション業務全般
媒体:an
私が大学4回生の時の夏に静岡の伊豆半島の河津町のペンションに行きました。
そこでのバイトは朝は朝食の準備と配膳などの接客、チェックアウト後の部屋や浴場の掃除、午後からは夕食の準備と配膳などの接客が主でした。約2ヶ月間ほどのリゾートバイトでした。
やる仕事は日々同じで、盛り付けやウェイターや部屋の掃除などでした。日々変わるのは来られるお客さんだけでした。
また、仕事の合間の休憩時間は部屋でテレビを見たり昼寝をしたりして、毎日繰り返しの時間を過ごしていました。
ある時、お客さんが朝食や夕食を食べるダイニングにグランドピアノがあることに気づきました。
私は8歳から大学4回生までずっとピアノをしていたので、仕事の休憩時間である昼間に気分転換にピアノを弾いてみようと思い、オーナーに断りを入れて弾かせてもらいました。
すると、オーナーが是非夕食の時間にピアノの弾き語りをしてくれないかってお願いされました。人前でピアノの弾くのはあまりなかったのですが、喜んで引き受けました。
そんなことで、ディナー中はピアノを弾くことになりました。
ある日、一組のカップルが泊まりにきました。そのカップルはチェックインした後にロビーで大きな声で大喧嘩をしているのを耳にしました。
せっかくの楽しい旅行なのによりによって喧嘩をするとはありがちなしですが、私は、その時、1つのことを考えました。
夕食時、二人のカップルが言葉をほとんど交わさず、いかにも他人行儀な感じで現れました。
私はいつものように、ショパンのノクターンや戦場のメリークリスマスなどを弾きました。
カップルの二人が笑顔になるには最後の曲はこれしかないのかなと思い、竹内まりやの「けんかをやめて」を弾きました。弾いた後の二人の表情は変わらず固いままでした。
うまくはいかなったけれどなぜか良いことをしようと思った自分に酔いしれることで満足感に浸ってました。
その後カップルはダイニングを去っていきましたが、部屋でどうなったかは知る由もなくでした。翌日は私は休みでしたのでカップルが仲直りしたのかどうかはわからず、仲直りできる精一杯の雰囲気を作ったので二人の仲がどうなっても仕方ないなと諦めていました。
すると、1週間後にペンションに手紙が届きました。あのカップルの女性からでした。
些細なことから喧嘩になり、別れるしかないと思っていた時に、ピアノを聞いて意地をはってはいけない気持ちになって、その夜に仲直りできたとのことで、長年付き合っていてそろそろ結婚しようかと話していたので、ほんとに助けてもらいましたって書いてありました。私はピアノを弾いて良かったと思いました。
ピアノには私自身が辛いときや悲しいときいつも助けてもらいました。自分の感情をピアノの音に変え、言葉では伝えられないものを伝えてくれます。
私はそれで助けてもらったからこそ、ピアノの音を信じ、あのカップルに伝えようって思いました。
リゾートバイトで、ピアノで人を助けることができたことが私にとっては感動以外の何物でもなく嬉しい出来事でした。